秦野店 AV部門 スタッフ人財育成グループ
入社4ヵ月で本部への異動を社長に直談判した高橋。
「出る杭を伸ばす」社風にのって上昇するも
頂点からどん底へ。そこで得た「気づき=宝」とは。
販買推進部 第三地区 地区長
2010 年入社
大学の情報理工学部を卒業後、2010年に入社。秦野店AV部門 スタッフを経て、同年10月より人財育成グループへ異動。同グループでリーダー、グループ長を務めるも、2016年には販買スタッフへと舞い戻る。2019年より販買推進部 エリア長、2022年より第三地区 地区長に就任し現在に至る。
10余年前「出る杭は伸ばす」「貢献序列」といった型破りなノジマの社風に惹かれ、新卒入社した高橋昇嗣もまた型破りな人間だ。現在、高橋は、多摩・埼玉地区にある約60店舗を管轄する地区長として、貢献序列のまさに先頭を行く。しかし、入社からの昇格・降格のアップダウンはジェットコースターどころの騒ぎではなかった。
その始まりは、入社からたった4カ月後のこと。トップ通過した新卒販買競争の打ち上げで、社長に直接、本部の人財育成グループへの異動願いを申し出たことに端を発する。
「人財育成グループは、社内のトップセールスマンが集まる部署でした。お客様に喜ばれる社員の手本として現場に立ち、直接スタッフの指導にあたる彼らの姿を見て『自分も!』と強く憧れました。しかし、入社1年目での配属は前例がなかったんです。ならばと、打ち上げのお酒の勢いも借りて、社長に直談判しました」
出る杭を地で行く高橋の申し出は見事に受け入れられ、2カ月後、新入社員で初めて人財育成グループへの異動を叶えた。
ところが、そこからの6年は「地獄の日々だった」と高橋。人事の都合もあり、役職はリーダー、グループ長と順調に上がっていくが、社長からは「裸の王様だ」と叱られてばかりいた。
「役職が上がったことで、指示・命令が仕事だと勘違いし、社長から『そのやり方では、人は育たない』といくら言われても、数字としての成果を上げていたので、会社に貢献している自負があり、自分のやり方が正しいと信じて疑いませんでした。自らが出る杭を叩き、受動的な指示待ち人間を増やしていることに、まったく気づけていなかったんです」。
そこで、2度目となる異例の人事が高橋を待っていた。人財育成グループ長から店舗リーダーへの降格だ。しかし、それでも高橋の目は覚めなかった。
「販買には自信があったので、数字を上げるのは簡単で、自分が率先して販買すればいいだけの話と思っていました。そして、その成果をもって、やっぱり私が正しかったと思い知らせてやりたい。見返してやるんだと息巻いていました」。
しかし、現場には、高橋の独裁的なやり方についていくスタッフは一人もいなかった。総反発をくらった高橋は、そこで初めて、社長の言っていたこと、自分のやり方が間違っていたことを真に理解する。そして、どん底で得たその気づきは、高橋の身を立て直した。
「失敗しても何度でも挑戦できる、成長できる機会がある」というノジマの社風を、高橋ほど身をもって実感している社員はいないだろう。そんな高橋が今、一番力を注いでいるのが「活躍者を増やすこと」だ。
週の大半を、自身が管轄する約60店舗の臨店に費やし、店舗スタッフと同じベストを着て店頭に立つ。そして、共に臨店したエリア長が、店長やスタッフを正しい考えで導けているか見守り、チーム強化のための指導にあたる。そこには、指示・命令を飛ばす高橋の姿はもうない。
スタッフと肩を並べながら「どうすればお客様に喜んでいただけるか」、スタッフの潜在的なアイデアを引き出すことに、持ち前のコミュニケーション能力の高さを発揮。そのようにして実現した施策は数知れず、最近では、主婦パートナー※のアイデアによる「各冷蔵庫メーカーの特徴が比較できる体感実演販買」が好事例となった。アイデアを聞いてすぐ店舗で実践する許可を出し、お客様からの好評価が得られたため、本部に持ち帰って全社に発信。主婦パートナーは社長賞を受賞した。
「自分のアイデアが採用され、それが会社の文化になったり、たとえ失敗したとしても何度でも挽回できるという経験を通して、スタッフに仕事の楽しさを知ってもらいたい。また、数字だけを追うのではなく、お客様になぜ買っていただけたのかというプロセスを追うことで、一人ひとりの考え方を育て、活躍者を増やしていきたいです」。
浮き沈みの中で得た、自らの軸をぶらさず、高橋は今日も「最前線=店」に立って闘い、自身が出る杭であり続けながら、出る杭を伸ばし続ける。
※「パートナー≒アルバイト」。ノジマでは、会社と従業員は主従関係ではなく「全員経営理念」のもと、全員が知恵を出し、自ら行動することが大切と考えています。よって、労働者という意味のあるアルバイトではなく、肩を並べて働く同士という意味を込めて「パートナー」と呼んでいます。